産後のお悩みで多いのが、「お腹のたるみ」
産後何か月も経つのに、お腹はたぷたぷのまま・・・。
妊娠中にお腹が大きくなると、お腹の筋肉や皮膚などの組織はめいいっぱい引き伸ばされ、伸びきったゴムの様な状態になります。
もはや腹筋はほとんど機能していない状態です。
そのダメージを残した状態で、いきなり腹筋運動をするのは、リスクもあるし、なにより効率が悪い。
そこで、頑張って腹筋する前にやっておきたい腹部のコンディショニング3つを紹介。
お腹が引き伸ばされ、皮ふや皮下組織、 筋肉などが伸張・圧迫された状態。 |
産後に大切なお腹のコンディショニング
皮ふと皮下組織をリリース
産後のお腹は、妊娠中に大きくなった腹部に圧迫され、皮ふや皮下脂肪、筋膜などが癒着している状態です。この腹部の皮下組織の癒着があると、筋膜の滑走不全や肋骨の動きが悪くなり、しっかりと腹筋群をトレーニングすることが出来ません。まずは、皮ふと皮下脂肪をリリースし、お腹の皮ふの滑走性を取り戻すことが重要です。
お腹の皮ふを、親指と人差し指でできるだけ薄くつまむだけ!!
最初は皮下組織がくっついているので分厚くしかつまめませんが、徐々に組織が剥がれ、つまんだ指先の感覚が薄くなっていきます。
お腹全体に行い、特に肋骨にそったライン、お臍のまわりは癒着が強い箇所です。重点的に行いましょう。(爪が伸びていると当たって痛いので事前に切っておきましょう。)
皮下組織のリリース方法 |
薄くつまめるようになればOK |
腹直筋をもとの位置に戻す
腹直筋離開 |
まずは腹直筋の位置と状態を確認。
仰向けになり、両膝を立て、頭部を持ち上げるとお腹の中央で緊張する縦長の筋肉が腹直筋です。お臍の上や下で、左右の腹直筋の間に指2本以上の隙間があれば腹直筋離開と判断されます。
腹直筋の外側のラインに軽く指を引っかけてゆっくり中央に寄せていきます。
一番表面にある筋肉なので、あまり指を押し込まないのがポイントです。
腹直筋がリリースされると、腹直筋が中央に戻り幅も狭くなります。
強く息を吐いた時に腹直筋が左右に引っ張られる感覚がなくなればリリースが完了したサインです。
腹直筋が本来の位置に戻った状態 |
呼吸で腹横筋を意識する
腹横筋とは、お腹の一番深層にある筋肉で、コルセットの代わりをする筋肉といわれています。この腹横筋がしっかり収縮することで、良姿勢が保てたり、ウエストのクビレが作られます。
一般的な腹筋では、腹横筋を選択的にトレーニングすることが難しいので、まずは呼吸を使って、この腹横筋の収縮を習得することが大切です。
本来、腹横筋は立ったり、歩いたりなど、活動している時に常に収縮し力が入っている状態が望ましいです。生活で腹横筋を意識することで、無理な腹筋運動をしなくても、徐々にお腹周りがスッキリしていきます。
仰向けに寝た状態で両膝を立てる。
口笛を吹くように口を十分にすぼめ、強く息を10秒ほどはく(強制呼気)。
息を吐き切る時に下腹部のあたりで緊張するのが腹横筋です。
この強制呼気を5セット行う。
慣れてきたら、座位や立位などでも行いましょう。
産後は腹筋運動を行う前に、この3つのコンディショニングを行うと、より効率的にお腹周りをトレーニングすることが出来ます。
また腹筋を行うときは、ピラティスでよく使う「スクープ」を意識するといいです。
「スクープ」とは、お臍を内側に引き込む動きのことですが、腹筋の際に、このスクープを意識することで、産後にダメージを受けた骨盤底筋に負担をかけることなく腹筋運動が行えます。是非、取り入れてみてください。
☆この記事を書いたのは福岡の産後セラピストmiyuki