産後のトラブル「尿もれ」第5回目は尿道のエクササイズを紹介します。
尿道のエクササイズ
ステップ1
膀胱と尿道の位置を確認する。
膀胱は恥骨のすぐ後ろにあり、尿道は膀胱から尿を排泄する管です。
尿道は尿道括約筋という筋肉に包まれいます。
※膀胱と尿道について詳しくは前回の記事をチェックして下さい。
>>『~第4回~尿もれ体操する前に知っておきたい尿道のお話』
ステップ2
外尿道括約筋の収縮力をチェック
外尿道括約筋とは、尿道を外側から囲んでいる筋肉で、弛緩すると尿が通過し、収縮すると尿を止める作用があります。
<チェック方法>
排尿中に尿を止められか確認することで、外尿道括約筋の収縮力をチェックすることができます。
- 多量の排尿でもしっかりと止めることが出来る。
→尿道括約筋の収縮力が高い。 - 普通の量の排尿を、すぐに止めることが出来る。
→尿道括約筋の収縮力が中等度。 - 少量の排尿でも止めることが出来ない。
→尿道括約筋の収縮力が低い。
※この排尿を途中で中断する方法は何度も繰り返し行うと排尿反射が乱れてしまう恐れがあるため、1日1回程度、1回の排尿時に1回だけ行うようにしましょう。
ステップ3
尿道の収縮を感じる
姿勢は仰向け、リラックスした状態で行います。
まず尿道を締めてみましょう。
(チューブを締めるような感じ、又は下からファスナーを締める感じで外尿道括約筋を収縮させます。)
外尿道括約筋を締める感覚がわからない場合は、排尿を中断させる動きを再現します。
又はお尻の穴を締め、徐々にその力を前方(恥骨側)に移動させていきます。
最終的に恥骨の周囲に力が入ればOKです。
その時に大殿筋(お尻の筋肉)や内転筋(内ももの筋肉)に力が入っているのはNGです。
大殿筋や内転筋を使わずに尿道を締めることが重要です。
お尻や内ももはリラックスした状態で、尿道を締められるよう繰り返し練習してみましょう。
最初は全く出来ない方が多いです。
この収縮の感覚をしっかり感じとれるかがとても大切です。
ステップ4
様々な条件で尿道を締める
収縮感覚がわかれば、今度は尿道括約筋を鍛えていきます。
- 出来るだけ長く尿道を締める。(6秒程度)
- 出来るだけ強く尿道を締める。(2秒程度)
- 座位や立位、しゃがみ姿勢で尿道を締める。
- ジャンプや咳など、腹圧をかけながら尿道を締める。
セラピストよりメッセージ
尿道括約筋という骨盤底筋の中でも、特に尿もれに関係する筋肉にポイントをおいたエクササイズを紹介しました。
まずは尿道括約筋の収縮感覚を取り戻すことが大切です。しかし、この収縮感覚がなかなか戻ってこない方が多いです。
尿道括約筋や骨盤底筋の癒着により筋肉の働きが弱くなっているためです。
トレーニングを続けてもなかなか効果が出ないという方は、この癒着が原因となっている可能性が高いです。
そういった場合は、問題となる組織の癒着をリリースするという徒手的な施術が必要です。
Re mamaでは、こういった癒着が原因で尿もれ引き起こしている方に対し、下腹部から尿道や膀胱に触れて癒着をリリースし膀胱や尿道本来の働きを取り戻していきます。
尿もれの原因に対し直接アプローチしていくことで尿もれ軽減の効果も期待できます。