姿勢と尿もれの関係
骨盤底筋はストレスがいっぱい!!
妊娠や出産、加齢などの原因で、骨盤底筋が衰えたり、働きが弱くなることで、尿もれを発症しやすくなるといわれています。
その骨盤底筋ですが、『姿勢が悪いと骨盤底筋への負担が増す』ということはご存じですか??
骨盤底筋への負担が大きいということは、骨盤底筋の働きが弱くなり、結果的に尿もれや骨盤臓器脱などのリスクが上がるということになります。
尿もれでお悩みの方は、この機会にご自分の姿勢を見直してみましょう!!
ではどんな姿勢が骨盤底筋への負担が大きのでしょうか。
それは猫背や反り腰などの姿勢の時にみられる、骨盤が過度に前傾したり、後傾している状態です。
骨盤中間位の姿勢(骨盤ニュートラル)では、骨盤内臓器などの重みは骨構造によりうけとめられ、骨盤底筋にかかる負担は分散され小さくなります。
しかし骨盤後傾位の姿勢では、骨盤内臓器の重みは骨盤底に対し垂直にかかり骨盤底への負担が大きくなります。また、骨盤が過度に前傾した姿勢でも、子宮が前下方に傾くため骨盤底への負担が大きくなります。
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骨盤内臓器の重みが分散されずに骨盤底にかかるため ⇒骨盤底への負担大きい ※理学療法士のためのウィメンズ・ヘルス運動療法より引用 |
ただでさえ出産でダメージをうけて弱くなっている骨盤底筋に、姿勢が悪いことで更に負担をかけ、骨盤底筋の回復を遅らせているということになります。
骨盤底筋は骨盤の底で、骨盤内臓器(子宮や膀胱、直腸など)を支えるために頑張っている筋肉です。
骨盤底筋の働きが弱くなると、尿もれだけでなく骨盤臓器脱など産後や高齢女性に多いトラブルを引き起こしかねません。
骨盤底筋の負担を減らすために、いい姿勢を心掛けることは産後ママだけでなく、すべての女性とってとても大切なことですね。
骨盤底筋にとって理想的な骨盤の傾きとは?
骨盤底筋にとって負担の少ない理想的な姿勢とは、骨盤中間位の状態です。
上前腸骨棘(前から骨盤を触った時に一番高い位置にある両側の骨)と恥骨結合(おへそから下方にたどり最初にひっかかる骨)を結んでできる面が床に対してほぼ垂直の状態。
この時の骨盤の傾きが理想的な状態であり、骨盤底への負担が最小限となる姿勢です。
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両側上前腸骨棘と恥骨結合を結んでできる面が床に対し垂直の状態。 |
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上前腸骨棘と恥骨結合を結んだラインが床に対して垂直の状態。 |
座る姿勢も大事です!
背もたれに寄り掛かかり骨盤を後傾させた座り方に比べ、背もたれを使用せず、骨盤を立てた座り方をした方が、骨盤底筋が優位に働きやすいことが分かっています。
とは言っても・・・「座る時ぐらい、リラックスして楽に座りたい」その気持ちよくわかります。
なので、クッションやタオルなどを上手く活用し、出来るだけ悪い姿勢で長時間座らないよう気を付けましょう。
短い時間からコツコツやっていけば、徐々に筋力が回復して「背もたれにサヨナラ」できる日も遠くないですよ。
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☆床に座る時も同様にタオルやクッションの手前半分に座ると骨盤が楽に立ち上がります。 |
産後3週間は出来るだけ横になって過ごすことが推奨されている理由として、骨盤底筋に負担をかけないことが理由のひとつです。
しかし産後3週間たったからといって、骨盤底筋のダメージが完全に回復するわけではありません。
産後の体は時間をかけてゆっくり回復し妊娠前の状態に戻っていきますが、多子の方や産後に無理をした方、また出産時に出血が多かったなど、様々な理由により骨盤底筋の回復が遅れることで、その後何年も尿もれや骨盤臓器脱などの問題が残ってしまうことがあります。
尿もれでお悩みの方は、まずは姿勢を見直すことで骨盤底筋への負担を減らし、骨盤底筋が働きやすい環境を作ってあげることも重要な尿もれトレーニングの一つです。
なかなか改善しない尿もれでお悩みの方は、是非Re mamaにご相談下さい。
☆この記事を書いたのは福岡の産後セラピストmiyuki
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